おはようございます。タカハシ126(@takahashi126)です。
白骨化した子ども、虐待な軟禁による発育障害、親を殺す子、未成年による残虐な事件。日本の社会には耳を疑い目を覆いたくなるような事件がたびたび報道されます。
どこか遠いところの話ではない、日本の話です
これはシリアの内戦による難民問題でも、南スーダンからの難民の子どもでも、アフガニスタンの子どもでも、インドのスラムの子どもの話でもなく、日本の子どもの話です。
居所不明という名称が公的に使用されているのは、文部科学省が毎年実施する『学校基本調査』だ。
同調査では、住民票を残したまま1年以上所在が確認できない子どもを「1年以上居所不明者」と表している。調査対象となるのは日本国籍を有する7歳から14歳、義務教育期間中の小学生と中学生だ。
まず虐待が疑われる場合の通報先を記しておきます。
- 児童相談所相談全国共通ダイヤル
📞189
「いちはやく」の語呂に合わせてすぐ電話を
- 24時間子供SOSダイヤル
📞0570−0−78310
いじめ問題や所在不明を含め、子どものSOS全般に対応する相談窓口。2015年2月に起きた川崎中1殺人事件を受け、文部科学省が従来からの相談窓口を24時間対応に強化した。
子どもがどうやって消えるのか?
普通に考えたら子どもが消えることなんてありえないと思いませんか?正直、子どもを授かってから日本で生活していないのでわかりませんが、海外(開発途上国と言われる国でしかもアフリカ)で生活していると日本人コミュニティーの人数は限られていて、どこの家庭がどういう家族構成かについてはだいたいみんなが把握しています。個人情報の管理が厳しい社会では、どこどこのお家に兄弟が何人いてとか、子どもがいてとかわからないものなんでしょうかね。
ルポ 消えた子どもたち―虐待・監禁の深層に迫る (NHK出版新書 476) では子どもが消える理由として以下の3つを挙げています。
- 貧困のはてにーホームレス状態で消える
- 虐待・ネグレクトによって消える
- 精神疾患の保護者と消える
子どもは助けを求めている
ルポ 消えた子どもたち―虐待・監禁の深層に迫る (NHK出版新書 476) に書かれた子どもたちの生の声は悲しいくらいに切実で大人の心に刺さります。
「やっぱり、誰かに見つけてほしかった」
「自分の経験が少しでも他の子どもの役に立つならば」
と取材を受ける子ども。そんな本を読んで子どもたちの現実を知ったからには、僕こそ他の子どもたちが同じような被害にあわないように役に立つべきことをするべきじゃないかと思うわけです。
「学校の先生も、いろいろ仕事とか大変だと思うんですよ。生徒を30人近く預かっているんで、一人ひとりの内側まで気付いてあげるのはなかなか難しいと思うんですけど…。心の内側的までは言わないですけど、家庭訪問とかで、もう一歩しっかりと親に聞いてほしいかな。今も同じような子がいたら気づいてあげてほしいので…。大人もいろいろ、自分のことで精一杯だと思うんですけど、もっと他の人に気配りができるような、子どもの異変に気づいてあげられるような人が増えたらいいなとは思います。」
母親がうつ病になってしまい、家の一切を任されたため学校にも通えなくなってしまった女性の言葉は普通の大人に対して向けられていると思います。母親がお金もないのに外で飲んでタクシーで帰ってきたため、タクシー運転手に対してお金がないと謝罪したそうです。
「自分たちに同情してほしいわけではないですけれど、ちょっとくらい、今なんでこういう状況にならざるをえなかったのかなということを、考えてほしかったなと。普通に考えたらおかしいじゃないですか、子供が出てきて、親の代わりにすみませんって謝るなんて。『何でこの家では、子供が出てくんねん?』って疑問がわかなかったのかなと」
こういう状況で僕だったらどんな対応ができただろうか?子どもを保護するようなアクションを取れるだろうか?
悪いのは親、だけでなく大人
子どもたちの境遇を知れば知るほど、そもそも明らかだったことがますます確信になります。子どもは悪くない。悪いは、いつだって大人。経済的事情や社会的事情があったとしても、いつだって悪いは大人であり親です。子どもはいつだって被害者です。
ただし、精神疾患などで親自身が社会的な保護を必要とする場合は状況が違うかもしれません。親が公的扶助を受けるための手続きさえまともにできない場合は、地域社会が支援するべきだと思います。
中学生の子どもが学校に通っていないという状況を見た近所の方は
「それはもう、親子の関係やから私らはなんとも言えませんわ。『どうして学校にいかへのかな』くらいにしか思ってないし。お母さんが自分お側に置いておきたかったのかもしれへんし、娘さんが面倒見てあげないとあかんのと違う、とか想像ぐらいでね。私らは、もうあんまりあの家とは関わりたくないっていうのもあったし」
これが現実ですね。隣近所に関わりたくない家庭って確かにいるんでしょうね。どうしたら子どもが被害者になることもなく、助けることができるのでしょうか。
多くの場合、子どもが保護されるに至るのは親の逮捕、親の死という状況です。警察沙汰になることにより子どもが保護されたり、親が死ぬことで親戚や新たな住民票登録で居所不明あるいは消えた子どもであることにより保護されるというケース。そうでなければ、意を決した子どもが逃げて警察に駆け込むか。要するに社会的に全く捕捉できていないということですね。
消えた子どもだった女性の言葉が日本社会の大人に向けられます。
「結局、みんながみんな、自分のこと気にして生きてんねんなあ。誰も助けてくれへんねんなあ、と常に思っていましたね。どう見ても子どもがつらい状況に置かれているのに、なんでこう、『どうしたの?』とか、『大丈夫?』って声をかけてくれへんのやろうなって。自分は絶対そんな大人にならへんぞって」
家庭での虐待が生む社会問題
このような子どものうち、女の子の場合はワリキリと言われる売春行為を行うこともある。虐待を受け続けた結果、家を出るほどに大きくなった頃、街に出て漫画喫茶などで時間を潰し、売春で生活費を賄うような生活。少女の売春や貧困女子と言われる社会課題にについては@@などによく書かれています。
仮に消えた子どもたちを保護できたとしても、大人になれば自分で生きていくことが求められる。でも、学校にも通わず、集団の中での生活も知らず、仕事で一般的に必要とされる学歴もない場合、生きていくことがとにかく困難なのも居所不明であり虐待を受けたことのある消えた子どもたちのようです。
終わりに
親としてまだまだ自信がないからなのか、場所にかかわらず世界の貧困問題、子どもの問題にそもそも関心があるからなのか、よく子どもの問題についての本を読みます。僕自身、子どもに対してこどばの虐待をしてしまったと感じる時があるので、子どもの虐待については真剣に取り組むべきであると思っています。親としての言い分はあるのだと思いますが、明らかな社会的弱者であり、その生活の一切を親に委ねられている以上、虐待や子どもの保護については社会が果たすべき役割と責任があるというのが僕の基本的考えです。
子どもの問題はそれぞれの家庭の問題にしがちです。他の家庭のあれこれに首をつっこむと厄介なのはわかります。そういう意味で不干渉が当たり前という意識になるのでしょう。でも、虐待や居所不明という事態は看過すべき家庭の問題ではないのは明らかです。当事者である子どもたちがSOS信号を送っているのです。ただ、当事者であり被害者である子どもたちも、虐待する親にさえ一縷の望みや愛情を期待したり、さらなる虐待を恐れたり、逃げるにも逃げられない状況にある子もいるとしたら、社会が助けてあげるべきではないでしょうか。
親として、社会の一構成員として子どもの虐待、居所不明と言われる消えた子どもたちの問題にどのようにかかわるべきかを答えは見つかっていませんが、どうにかしたいものです。まずは、些細なことで子どもを叱ったりせず、子どもを尊重して支え愛情を注ぐこと。それが親としてまずやるべきことかと自分に言い聞かせています。
ブックレビューのようになってしまいましたが、ご関心あれば引用し参考にした各書をどうぞ。
最後にまたこちらを。
- 児童相談所相談全国共通ダイヤル
📞189
「いちはやく」の語呂に合わせてすぐ電話を
- 24時間子供SOSダイヤル
📞0570−0−78310
いじめ問題や所在不明を含め、子どものSOS全般に対応する相談窓口。2015年2月に起きた川崎中1殺人事件を受け、文部科学省が従来からの相談窓口を24時間対応に強化した。
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