Ethiopia

ここが変だよ、エチオピア。ちょっと変わっているエチオピア正教(キリスト教)

おはようございます。たかはしいつろー(@takahashi126)です。

 

エチオピア正教。キリスト教ではあるものの、カソリックやプロテスタントとは随分違うみたいです。
 

エチオピア正教会は、国内に32,537の教会、信徒3,400万人、聖職者364、765人を抱える組織である(2000年現在)。(石原美奈子編「せめぎあう宗教と国家エチオピア神外の相克と共生」)


歴史的に、エチオピアの歴代王朝とエチオピア正教会との関係は密接で、1974年のメンギスツによる社会主義革命により国土地を国有化されるまでは、「教会が土地を保有し、その土地から得られる農作物の売上げから教会の維持運営や聖職者の給料が捻出されていた」(石原美奈子編「せめぎあう宗教と国家エチオピア神外の相克と共生」)らしい。

 

ここが変だよ、エチオピア

 世界遺産にもなっている石造家屋

1.1年が13ヶ月

ぼくらが慣れ親しんだカレンダーは12ヶ月です。30日の月もあれば、31日の月もありますね。エチオピアのカレンダーは、30日を1ヶ月とする12ヶ月と、残りの5日を1ヶ月とする合計13ヶ月からなっているんですよ。だから、4月14日、と言ってもグレゴリオ暦とは違うんですね。

 

エチオピアで見かけるカレンダーにはエチオピア暦とグレゴリオ暦が併記されているものがあります。

 

2.今(2016年4月)は2008年

エチオピア暦では2015年の9月12日から2008年です。最初は訳がわからなくなりますが、慣れてくると比較的受け入れられるものです。これも元号を持つ日本人だからでしょうか。

 

エチオピア暦の新年は毎年グレゴリオ暦で言うところの9月11日。今年は閏年に当たるルカス年なので、新年(エチオピア暦2008)は2015年9月12日。

 

2016年9月11日には、エチオピア暦で2009年1月1日となります。

 

3.断食が年に180日間

エチオピア正教会はキリスト教会の中でも厳しいとされる断食があります。普通の信徒と聖職者の場合では求められる断食のレベルが違うようです。

 

聖職者の場合、年間250日ほど断食すべきとされる日があるそうです。でも、一般の信徒は180日くらい。

 

まず、毎週水曜日と金曜日は断食日です。そのせいもあって、ローカルのエチオピア料理屋に行くと、水曜日と金曜日はメニューに肉料理が載っていても肉がないと言われることが基本です。そういう時はムスリムのお店に行かないと肉は食べることができません。

 

毎週2日断食しても、年間52週として、100日しか断食できません。180日間断食するには、他の断食日に従う必要があります。

 

主な長期の断食日にはこんなのがあります。

1)イエス聖誕祭前の断食

エチオピア正教のクリスマスはグレゴリオ暦の12月25日ではなく、1月8日です。この日までの43日間断食するのが聖誕祭前の断食です。

 

2)イースター前の断食

エチオピア正教のイースター(復活祭)はカトリックやプロテスタントのイースターとやっぱり違います。例えば、今年はカトリック・プロテスタントのイースターが2016年3月末でしたが、エチオピア正教のイースターは4月末です。そして、復活祭までの55日間断食をするのです。

 

他にもイスラム教のラマダンあたりにする40日ほどの断食や、2週間ほどの断食などいろいろあります。

 

4.断食には何を食べる?

ここでいう断食は必ずしも一切ものを食べない「絶食」ではありません。そんなことしたら死んじゃいますよね。

 

断食日には、一日一食(夕方もしくは15時以降)とされ、肉類、卵、乳製品など動物性たんぱく質を口にしない。ただし魚に関しては、食べても良いとする者もいれば食べてはいけないとする立場もあったが、1993年、総主教アブナ・パウロスが公式に禁止した。(石原美奈子編「せめぎあう宗教と国家エチオピア神外の相克と共生」)

 

エチオピア人と地方出張に行くと、そもそも同じレストランで食べようとしないことが多々あります。それは、断食中で一緒に食べられないから。また、断食中でも関係なく肉も食べるし酒も飲むエチオピア正教徒のエチオピア人もいます。その場合、厳密な意味での正教徒ではないのかもしれませんが。

 

5.6時が12時

時間も厄介です。普通でいうところとの朝6時はエチオピアでは12時です。昼の12時は6時です。

 

6時間ずれているんです。

 

日本との時差も6時間ですが、エチオピア人が普段使っている時間は、世界基準的なエチオピアの時間から6時間ずれているんです。

 

だから、エチオピア時間は日本時間と同じなんですね。


独特なエチオピア
 岩窟教会内部と聖職者


アフリカの中でもエチオピアはいわゆるブラックアフリカと違う独特な国であると形容されることが多い国です。サブサハラアフリカで唯一文字を持つ国ですし、歴史的に早くから中東アラブとの交易があり、独自のキリスト教がエジプトのキリスト教の影響のもと繁栄しました。

 

また、19世紀、世界中がヨーロッパ諸国の植民地となる中、イタリアによる一時的な統治を除いてアフリカで唯一独立を貫いた国です。

 

そんなエチオピアを理解するにはエチオピア正教を理解する必要があるのでしょうね。

 

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