おはようございます。タカハシ126(@takahashi126)です。
エチオピアを明日離れるという今になってエチオピアについて色々思うところがあります。
命がけの訴え
オリンピックの男子マラソンで2位に入ったリレサ選手がゴールする際にしたコレ、なぜだか知っていますかね?
朝日新聞の記事によるとこれは命がけの訴えだったということです。
「エチオピア政府はオロモ族を虐殺して土地を奪っている。私の親戚は逮捕された。民主的な権利を訴えれば殺されるだろう。だから、彼らを守るために私は手を上げたんだ」
そして、こんなことも。
「私はエチオピアに戻れば殺されるだろう。殺されなくても逮捕されるだろう。まだどうするか決めていないけど、恐らく他の国に行くつもりだ」
3年間を過ごし、今では一つの故郷と言っても言い過ぎではないくらいエチオピアの人々に感謝をしている僕としてはなんとも心苦しい最近です。
エチオピアの今
これまでも以下の記事でエチオピアの最近をお伝えしてきましたが、なかなか今回は深刻な状況のようです。
- 2016年7月17日 元政治犯の命を救え!?ナンテコッタ、エチオピア!!
- 2016年8月6日 今日のエチオピア。政府はSNSを止めています。そのうちネットも?
- 2016年8月9日 エチオピアでブログはやってはいけない!!4つの理由。
- 2016年8月9日 エチオピア:インターネットは一応回復。FacebookやTwitterは未だログインできず。
- 2016年8月13日 今週末、SNSもネットも止まらないはず。エチオピアのデモはどこへ行く?
まず、8月13日の投稿に書いた内容はまだまだ現状を理解していない、甘い考えだったと今では感じます。なぜか?国を背負ってアスリートが競うオリンピックという場で、マラソンで2位になる選手があれほどの覚悟を持って政治的なメッセージをするくらいな状況だというのがわかっていなかったからです。
後になってわかった情報ですが、8月6日の投稿の1週間前の7月31日はSNSはもちろん、インターネットが不通になり、一時期は携帯電話まで不通になりました。これはあからさまに政府が通信手段をシャットダウンしているのが誰の目にも明らかな状況でした。しかし、8月6日、7日の週末は電話をかける方には不通に発信しているように思えても、電話を受ける側には着信も着信履歴もない、テキストメッセージも届かない状況だったそうです。
つまり、電話をかけている方、メッセージを送っている方には通信が遮断されているのがわからない形になっているということです。これは恐ろし状況だと思います。
逮捕者が多数でて街によっては死傷者も出ているここ1ヶ月のデモは、各州の民族運動とも相まってますます激しくなるというふうにも考えられそうです。
そこに来てオリンピックでの政治的なメッセージ。世界の各地には70年代の革命で共産党政権が樹立されて以来の20年弱の間亡命したエチオピア人がいます。本当か知りませんけど、ワシントンDCには1,000万人を超えるエチオピア人が住んでいるとか。その他にも僕が知っているだけで、アメリカ、カナダ、スイスなどに多数のエチオピア人がいるようです。彼らディアスポラと言われるエチオピア人が今エチオピア国内で反政府活動をしている人々を支援しているという話も聞きます。
もうどこまでが事実で真実なのかわからない状況です。報道も何を信じていいのやら。でも、それがエチオピアの今なんです。
今週からケニアでアフリカ開発会議(TICAD: Tokyo International Conference for African Development)という日本政府、国連開発計画、世界銀行が主催する国際会議があります。そんな中、エチオピアの今を憂い、心配しています。
信念を持って活動する善良な市民、より良い社会を作りたいと願い現政権に反旗をひるがえす若者の人権と命が守られる国であってほしいと心から願います。
選挙で政府は変わらない
あるエチオピア人の友人がこんなこと言っていました。
2005年の総選挙後の暴動、2010年と2015年の選挙を経て多くのエチオピア人は気がついたんだ。「選挙で政府は変わらない」と。だから今、反政府活動が活発化している。
アラブの春を経て、中東地域の民主化が進んだようでもある一方、同時にシリアのように泥沼化する国がある。エチオピアでは人々の命と人権が守られ、より民主的で平和な社会が築かれるよう心から願うと同時に、誰も傷つくことがなければいいと心から願っています。
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