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民主化やデモなどについて考えたこと:「八九六四」読書感想も含め

おはようございます。たかはしいつろー(@takahashi126)です。

 

ちょうど香港で刑事事件の容疑者を中国本土の司法当局に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」の改正に反対する200万人とも言われる大規模なデモが起きていた頃に読んでいた本の影響もあり、デモや民主化運動についてさらにはその他の社会活動について自分なりに考える機会があった。

 

本の影響もあり自分の中で大きな変化があったので備忘録も兼ねて考えたところを書いてみる。

 

民主化運動は必要か?

僕は1989年の天安門事件やアラブの春といわれる多くの国における民主化運動は望ましい民衆運動で必要なものだと思っていた。

僕は日本で生まれ育ち、大した不自由を感じることもなく恵まれて育ってきたと感じている。

もちろん、通っていた学校のルールや所属する組織によっては言動を制限されたこともあるのかもしれないけど、それでも自分なりに自由を享受してきたと思うし、もっと民主的で自由な生活を欲しいと強く感じることはなかったと思う。

が、しかし、反共産党的な言動をすると公安に追い回されたり逮捕されるような境遇にあるとしたら、それが正しいことではないと立ち上がり声を上げるのは普通のことだと思っていた。

そう思わない?

でも、「八九六四」という本を読んでだいぶ考えが揺さぶらた。

民主化運動は本当に必要なのか?と、、、

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民主化のために命をかける必要があるのか?

1989年6月4日の天安門事件では多くの若者が命を落としたと言われています。

アラブの春でも、民主化運動が泥沼化しているシリアやスーダンでもただ自由やより民主的な社会を欲しただけの人々が命を落とした。

命をかけてまで民主化を求める必要はあるのだろうか?

「八九六四」では民主化デモとされた天安門広場に集まる学生運動に参加する人々のいろんな考えが紹介されている。中にはその場のムードや勢いで参加した人がいたり、民主化がなんなのかいまいちわからず参加していた人もいたようだ。

アラブの春などでもそのような人がいたはずだと言いたいわけではなく、民主化を求める場合、現政権の転覆を目指す傾向もありその後の政治体制をどうするのかなどデモをする人々だけでは整理できない課題もあるわけで、、、

それだけ難しい民主化活動にどこまで個人の命をかけるべきかと考えさせられた。

 

その他のデモや社会活動

環境問題について世界中から注目されている16歳の環境活動家の女性がいる。スウェーデンのGreta Thunbergさん。

 

NetflixKnock Down the Houseでも有名なAlexandria Ocasio-Cortezとの対談記事(The Guardian)でこんなことを言っている。

I know so many people who feel hopeless, and they ask me, “What should I do?” And I say: “Act. Do something.” Because that is the best medicine against sadness and depression. I remember the first day I was school-striking outside the Swedish parliament, I felt so alone, because everyone went straight past, no one even looked at me. But at the same time I was hopeful. (When Alexandria Ocasio-Cortez met Greta Thunberg: ‘Hope is contagious’ – The Guardian)

 

Alexandria Ocasio-Cortezもこの対談記事でこう言っている。

From there I learned that hope is not something that you have. Hope is something that you create, with your actions. Hope is something you have to manifest into the world, and once one person has hope, it can be contagious. Other people start acting in a way that has more hope.(When Alexandria Ocasio-Cortez met Greta Thunberg: ‘Hope is contagious’ – The Guardian)

希望を持って立ち上がり、声を上げること。行動をとることで変えられる世界がある。行動をとることで希望が芽生えてくる。

それはわかる気がするんだけど、求めるものによっては必ずしもそうとは言えないのかぁ、、というのが僕の印象だ。特に民主化。

 

人にとって何が幸せなのか?

「八九六四」では天安門事件に直接あるいは間接的に関わった方々がその当時を振り返りこんな質問を受けている。

  • 今民主化運動が起こったら参加するか?
  • もし、子どもが民主化デモに参加したいと言ったら、どうするか?

89年に大きな希望を持って学生が主導した天安門デモ。

30年経った今、当時の学生の多くが家族を持つ身となって考える当時の民主化運動と今。

過去30年に驚異的な経済成長を遂げた中国。今だ共産党によるさまざまな制限があるものの、国民の多くは経済成長の恩恵を受けているのも事実。

人にとって何が幸せなのか?

僕が今生活するエチオピアでも民主化を強く求める人々がいる。

噂ではFacebookなどで反政府的な言動を繰り返すと公安に捕まることもあるとかないとか。

そんな社会で民主化を求めるべきなのか、それとも経済的により良い生活を送るために今できることをするべきなのか。

まだ僕は自分なりの答えが出せないでいるけど、家族を持つ一人の父親として今まで目を向けていなかった現実に気づけた気がする。

「八九六四」は僕にとってそんな一冊になったので超絶オススメします。

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僕はただ、誰も命を落とすようなことになってほしくない。

 

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