今まで1年以上住んだのはインド、ザンビア、タンザニア、エチオピアの4カ国。それぞれの国での仕事環境や立場、つまり給与や待遇が異なるので簡単に比較はできないけど、ちょっと振り返りながら比べてみました。
3カ国目はタンザニア連合共和国。キリマンジャロやセレンゲティ国立公園やフレディ・マーキュリーの生地ザンジバルを有する国。ここには丸2年間主夫として住んでいました。
主夫生活
ちょうどイクメンという言葉が流行り出し頃だと記憶しているけど、2010年に生まれた長男(当時3ヶ月)を連れて、タンザニアに引っ越した時から主夫としての生活が始まりました。それまで片付けを除きほとんどの家事は妻がしていたので、料理を作るだけでも大変な苦労だったんだけど、学生の頃から主夫を夢見ていた僕には不安以上に期待の方が大きかったのです。最近では日本でも育児休暇を取るケースも増えているようだけど、育児への積極的参加は絶対オススメ。妻の日々の苦労を理解できるし、子どもとも正面から向き合える。
主夫生活において一番の苦労は食事でした。朝食から夕食まで1日のメニューを考えるのがもう大変。そして、考えた料理を作るための買い出しも相当な作業。買いたかった鶏肉が売ってないとか、野菜がないとかタンザニアでは当たり前だったので、結局メニューは急遽変更、急いでクックパッド検索という毎日でした。
日本で頑張っている主婦・主夫の皆さんには申し訳ないけど、途上国での生活ではお手伝いさんを雇うのが一般的なので、掃除洗濯の苦労はありませんでした。むしろ、お手伝いさんを雇うことで給与等の待遇に関する話や掃除の仕方などにおける心的苦労はなくはなかったけど、雇いたくて雇っているんだからそれくらい当然という話。
他の奥様との付き合いは子供が小さかったこともありあまり頻繁にというわけではなかったけど、皆さん主夫に理解のある方も多く対して嫌な思いもしませんでした。むしろ、食事に誘ってもらったり、息抜きをする上で大変多くの方に助けてもらいました。
子育て
3ヶ月の長男との主夫生活はかなり濃密で、1歳以降は半分ノイローゼになっていたような気がする。離乳食を始めた9ヶ月頃までは比較的のんびりでした。その頃はむしろ家探しや車の手配など基本的な生活インフラの整備に忙しかった頃だったし。でも、一旦離乳食が始まってからはそれこそ子育て中心の濃密生活。そもそも使う気は無かったけど、タンザニアではレトルト系の離乳食はほとんど無かったので、息子の食事はどの段階でも昆布やカツオ出汁をとって、肉や魚野菜を段階的に使った全て手作り。料理を覚える上でとっても勉強になったけど、離乳食作りと日々の食事(献立を考えて買い物して調理して)には忙殺され、ストレスの原因の一つはこれだった気がします。
友人、知人、いろいろな育児本などに助けられたけど、何よりも妻に支えられた2年でした。そういう意味で、小さい子ども持つご家庭では、主婦(主夫)のパートナーである夫(妻)の支えはとても大切なんだと心と体で痛感した。よく夫の理解が云々、仕事の帰りが遅くて云々という話を聞くけど、日本の主婦はおそらく当時の僕以上に様々な苦労をしているだろうと勝手に想像します。
息抜きはスポーツと読書・勉強
ザンビア時代は週に3、4回もやっていたフットサル。タンザニアにはフットサルコートもなかったので、フットサルはできなかったけど、月に1回程度はサッカーをする機会があり、これは一番の息抜きでした。加えて、主婦友達に誘ってもらったテニスレッスン。全くテニスはやったことなかったけど、少しずつ覚えたテニスはとっても楽しかった。
普段は、息子が昼寝をしていた1、2時間の間に料理を早めに済ませ、さささっとする読書。早起きして朝食作る前にする読書が日常的な息抜きでした。息子が1歳9か月で保育園に行きだしてからは、週に1、2回フランス語の個人レッスンを受け、日々育児中心で進む生活の中で自分なりの目標を持って取り組めるフランス語の勉強はいい刺激でした。
こう書いてみると、日本で主婦(主夫)をされている方より恵まれた環境もあったと思える反面、夢見ていた主夫生活とは違う現実を経験して、個人的には辛い思いもしました。一時期は妻も家庭が崩壊するんじゃないかと心配した頃もあったようなので、その頃の僕は大分イライラして荒れていたのかと、、
当時子育てしながら読んで、支えてくれた本の幾つか。
素敵な観光地がいっぱい
主夫生活でストレスを感じることも多かったし、仕事のように現地の人間関係の幅が広がるものでもなかったので、当時のタンザニアに対するイメージはあまりいいものではなかったです。でも、野生動物をたくさん観れる国立公園や素敵なビーチリゾートがたくさんあるタンザニアはとても楽しい国です。子ども小さくなく、主夫生活に疲弊していなければもう少しタンザニアを堪能できたかなぁ、、、