おはようございます。126(@takahashi126)です。
AERA1冊のブロガソンも5本目。
現代の肖像というコーナーから資生堂社長の魚谷雅彦さんのお話です。
男であると資生堂とはあんまり接点がない気もします。整髪料などで資生堂製品を使うことがあるかもしれませんが、女性ほど資生堂をよく思ったり、毛嫌いすることもないのではないでしょうか。
ただし、今回の話は2年ほど前に代表取締役社長に就任した魚谷さんの話。
現場主導
資生堂の改革にあたって、魚谷さんは現場の理解に注力する。そして、組織を現場主導にするためのプロジェクトを進めたといいます。
某有名テレビドラマではないけど、何でも現場で起きているとすれば当たり前と言えるかもしれない。でも、それができるリーダーは稀有なリーダーなのかもしれませんね。
勝手に自分の仕事環境に置き換えると、国際協力の現場は度々注目される存在だったと思います。
例えば、80年代終わりから世界銀行が主導した構造調整プログラムでは、現場云々以上に公社の民営化など組織改編がトップダウンで行われました。その後、ロバート・チェンバースに代表される貧困者の声を聞いて開発事業を進めるいわゆる参加型開発という手法が一世を風靡しました。
日本の援助機関である国際協力機構(JICA)で言えば、緒方貞子さんが理事長になってから、各国にある在外事務所への意志決定権限や事業主管部として権限移譲が進められ、いわゆる「現場主義」が強化されていきました。
形ややり方は様々かと思いますが、現場に注意を払い現場主導にするということは、つまりはその組織の根本的な存在意義に正面から向き合うことではないかと感じます。表層的で形式的なこと、例えば業績や成果は後から付いてくるものとして、まずはそれが販売であれ開発事業であれ組織活動の足元をしっかり強化することが現場主導の意味するところではないかというのがぼくの理解です。
一体どれだけそれができる人が、リーダーがいるでしょうか。
著名なリーダーにはそれぞれ伝説的な成功があると思いますが、魚谷さんの例ではコカコーラ副社長時代のキャンペーンが挙げられていました。
「ジョージア 男の安らぎキャンペーン」「ジョージア 明日があるさキャペーン」と聞けば、あーー!と思い出す人も多いのではないでしょうか。その他にも爽健美茶や紅茶花伝の販売促進におけるマーケティングの基礎は消費者起点だったようです。
普通の〇〇じゃ意味がない
インタビューに対し、魚谷さんはこう答えている。
普通の社長はそんなことはしない、とよく言われますが、普通の社長じゃ、僕がなった意味ないじゃないですか。
これはぼくの胸にもズシッと響きます。だって、別に社長だけの問題じゃないですから。
ぼくやあなたが仕事に携わる中で、ぼくやあなたが普通はしないことをしていかないといけないということです。だって、ぼくやあなたにはぼくやあなただからできることがあるはずだから。
たまに行き過ぎて失敗もしますし、角が立つこともあります。でも、ぼく自身は仕事をするにあたって、当たり前や予定調和的な作業をするよりも、自分なりに考えて、自分なりのアイデアを出していきたいと思っています。だからこそ、仕事が面白くなるし、やりがいもあるはずだと。
非正規雇用の開発ワーカーが何を偉そうな!という感じかもしれませんが、ぼくなりの普通じゃない努力が受け入れられないのであればそこはもうぼくのいるべき場所じゃないと思います。
これはここ3年ほど身を以て経験する日々の業務でも考えていたことなので、魚谷さんの言葉がやけに響きました。
もう普通の〇〇でいるのはやめて、突き抜けましょう!笑
でも、そうすることって結構努力や忍耐力が必要ですよね。自分なりに一生懸命勉強しなくちゃいけないし、ポッと浮かぶアイデアだけで違いを出せるほど甘くはありません。だから、自分のためにもなるんですけどね。
まとめ
非常に含蓄のある言葉の数々で、単に素敵な言葉というより、その言葉に込められた想いと覚悟が感じられるコラムでした。
まとめると、大切なのは「現場主導」と「普通やらないこと」の2つ。
年金問題について税金のやりくりを語る前に、貧困者の尊厳ある生活について語るべきなんでしょう。
開発協力事業において、援助国の政策や国益以上に、被援助国の状況や5年後、10年後に目指す社会のあり方が語られるべきなんでしょう。
会社は人の集まり。会社を良くするには一人ひとりの社員が満足してのびのび能力を発揮できるようにするべきなでしょう。
現場に目を向け、ときには現場のために自分が体を張って守るべきものがあるような気がします。
普通やらないこと、とはもしかしたら権力や既成概念に縛られず、現場の発意や創意工夫を支えることなのかもしれません。まぁ、リーダーというかそう言う立場にあればということですが。
でも、たとえ契約社員であっても、非正規労働者であっても、普通に落ち着かず、その殻を破っていかなければいけないというのは一つの真理だと思います。
簡単に言うな!というところですが、簡単ではないからこそ、普通ではないことなので、身を賭してチャレンジしていきたいところですね。
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