おはようございます。タカハシイツロー(@takahashi126)です。
SOMAPが提案するハンドポンプの修理部品(スペアパーツ)を継続的に提供する仕組みに絶対的に必要な前提条件となるのはハンドポンプの維持管理にかかるカネ問題となります。
このカネ問題に直接関係するのは村落の貧困層とされる人々です。
水に対してお金を払うべきか?
絶対的なのか相対的なのかはさておき、貧困状態にあるとされるアフリカの村落部の住民はハンドポンプの修理にかかる経費を払うことはできるのでしょうか?
その前に、そもそも村落の住民は井戸の水を飲むのにお金を払う義務があるのでしょうか?
払えるヒト、払いたいと思うヒトによる寄付に頼るべきでしょうか?
安全な飲み水へのアクセスは基本的な人権であるというのがよく言われます。それでは基本的な人権であればお金を払わずに享受されるべきものでしょうか?
僕は払える限度内の額の抑えられるのであれば、相対的に貧困状態にある場合であっても可能な限り水道料金を払うべきだと考えています。ただ、これは日本であるような自己責任的な考え方ではなく、最低限度のサービスを維持するために必要な最低限度の経費負担という限りにおいてです。
例えば、SOMAPというプロジェクトを実施していたザンビアの村落部でも相対的な貧富の差があります。
家畜を多く持つ世帯、耕作可能な農地を持つ世帯、公務員の家族などがいてなんらかの収入源が確保されている世帯もあれば、夫に先立たれ不安定な収入状態にある未亡人やその世帯、健康状態が理由で仕事ができない世帯など全体的に貧しいとされる村落地域でも経済的な貧富の差は存在するものです。
その中でハンドポンプの維持管理費として一律同額の料金を徴収することが適切かと言われるとなかなか問題があります。
水を得るにあたってはコストをカバーするべく代金を払うべきというのが僕の考えの基本なので、まず寄付ではなく水料金とされるべき。ただし経済的に支払えない世帯があるのも事実で、それは常に難問です。
コミュニティーの自助努力に頼る維持管理をみなすべきじゃないかと思うこの頃です。
— イツロー@ポッドキャスター🎙 (@takahashi126)
青年海外協力隊(JOCV)のコミュニティ開発という職種では、村落部におけるハンドポンプの維持管理や衛生啓発などを行いますが、このJOCVの経験は他には変えがたい貴重なものになると思います。
わたしがルワンダで青年海外協力隊だったときも、水にたずさわってる隊員の支援手段は
・住民自身で井戸の修理をできるようにする
・住民主体の水委員会を設置する
・住民から少額の寄付を集める仕組みをつくるがメインでした!
まあこれが簡単にはいかないんですけどね……笑
— タケダノリヒロ(ルワンダノオト代表) (@NoReHero)
ただ、寄付というのはいまいちちょっと違う気がしています。
「アフリカにおける水プロジェクトの課題」みたいなエッセイを書いているのですが、どの良い事例にも共通する給水所管理のポイントは以下の3つ。
・外部の資金と技術支援が入っている
・地域住民主体の水委員会が存在する
・地域住民の少額の寄付で維持されている
— 田才諒哉@イスタンブール🇹🇷 (@ryoryoryoooooya)
結果的には相対的には富裕とされる村落の有力者や経済的に余裕のある方が貧困世帯の分も兼ねて多めに料金を払うことは寄付とも考えられるかもしれませんが、それは経済レベルに応じた応能負担と考えるべきだと思います。
状況によりますが、仮に50世帯ほどで一つのハンドポンプを使っているとするとゴム部品などの修理に伴う維持管理経費の世帯負担は大した額にはなりません。今や村落地域でも携帯電話を持ち通話料を払うのが当たり前の状況においては、健康的な社会経済生活を送る上で安全な水が大切であることが理解できればハンドポンプの維持管理にかかる経費を集落で負担することは必ずしも難しいことではないはずなのです。
ハンドポンプの維持管理のモノの問題をSOMAPのモデルが解決し、モノが回るようにするためのカネの問題も対処できた場合、残る課題はヒトの問題です。
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