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ジェフリー・サックス教授も言及しているシリア内戦へのアメリカ介入。国際社会、国連、我々個人は何ができるのか。

おはようございます。タカハシイツロー(@takahashi126)です。

世界から貧困はなくせるというコロンビア大学のジェフリー・サックス教授が、国際法違反でもあるアメリカのシリア危機介入をやめるべきとの記事をProject Syndicateに寄稿した。

サックス 表紙

ジェフリー・サックス教授曰く、

アメリカは国際法や国連憲章を無視して、アサドを追い出そうとしてきたが、政府関係者はアメリカが関与している規模とその結果生じている悲劇的な状況を隠そうとしている。

America’s official narrative has sought to conceal the scale and calamitous consequences of US efforts – in defiance of international law and the UN Charter – to overthrow Assad. (Project Syndicate)

大義名分の1つであるテロとの戦いは、ISがほぼ壊滅状態に追いやられたのを受けて、事実上理由にはならない状況になっている。事実、アサド大統領がロシアを訪れた内戦後のシリアについて会談(New York Times)した後、ロシアのプーチン大統領はシリアを電撃訪問し、国際テロとの戦いが終わった(BBC)としています。

一方、トルコ政府は、クルド系テロ組織を妥当するという名目でシリア国内での戦闘を始めました。The Guardianの記事では、アメリカやヨーロッパなど西洋各国が中東に関与することで何を達成するのかという「気まずい」質問に答えなければならないとしています。

It’s time for the west finally to face an uncomfortable question – what is it that they want to achieve in the Middle East, beyond glib statements promoting peace, stability and democracy? (The Guardian)

さらに、時折レバノンやシリア領空を侵犯し、ヒズボラへの武器供与を阻止するという名目で100回とも1,000回とも言われる空爆を行ってきたイスラエルは、シリアの地対空ミサイルに戦闘機を迎撃され、レバノン内戦時の1982年以来で最大の報復攻撃もしているくらいです(BBC)

そんな中、、

戦いは新たな深刻化の危機にある。アサド政権が反アサド派武装集団を攻撃した際、アメリカの連合部隊は空爆を行い、約100名のシリア部隊や複数のロシア傭兵を殺害した。

The war is in fact at risk of a new round of escalation. When Assad’s regime recently attacked anti-Assad rebels, the US coalition launched airstrikesthat killed around 100 Syrian troops and an unknown number of Russian fighters. (Project Syndicate)

アメリカ及びその連合国は現実を見極め、卑劣ではあるかもしれないアサド政権の存続を受け入れるべきだ。アメリカ、ロシアなどを中心とした国連安全保障理事会は、平和維持軍を派遣し、反政府組織やそれを支持してきた市民に対するアサド政権の報復を抑制しつつ、シリアの主権と緊急的な公共サービスを回復に努めるべきだ。

The US and its allies should face reality and accept the persistence of Assad’s regime, despicable as it may be. The UN Security Council, backed by the US, Russia, and the other major powers, should step in with peacekeepers to restore Syrian sovereignty and urgent public services, while blocking attempts at vengeance by the Assad regime against former rebels or their civilians supporters. (Project Syndicate)

と、サックス教授は言っています。

7年にもおよぶシリア内戦は、主な戦いのプレーヤーが時折変わりながら、代理戦争として複雑な様相を見せています。

新たな戦闘の危機にある今こそ、国連安全保障理事会は、常任理事国が合意する新たな枠組みに則って、この惨事を止めるべく介入するべきである。

Now, faced with an alarming risk of a renewed escalation of fighting, it’s time for the United Nations Security Council to step in to end the bloodshed, based on a new framework agreed by the Council’s permanent members. (Project Syndicate)

ロシアとアメリカが常任理事国になっている安全保障理事会がどこまで何ができるでしょう?

イスラエルの首都はエルサレム!それに反対する国は助けないぞ!と国連の場においても豪語するアメリカ合衆国に何が期待できるんでしょう?

国家とは、主権とは、法律とは何なのか

シリア国内で今も物資の不足や不安定な社会インフラの中で生活する人々、国内外に避難せざるを得ない人々の生活を誰が考えているのでしょう。

国や政府は誰のためにあるのか。

一刻も早く、戦闘を続けさせるような武器の流入や支援が途絶え、国際社会の支援を受けたシリア政府が国民の生活環境を再構築し始める日が来てほしい。

国を逃れた人が自分の故郷に帰り、平和で安全な社会の中で新たな人生の一歩を踏み出せるような環境になって欲しい。

何故、難民が生まれるのか。

難民に対してどのような支援が必要で望まれるのか。

難民が生まれないような世界にするにはどうしたらいいのか。

Fairly fm表紙

今後、僕が配信しているポッドキャストFairly.fmでも難民について扱う予定です。

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