おはようございます。126(@takahashi126)です。
SNSのみならずインターネットがストップ
FacebookやTwitterが使えず「あ、止められている」と気づいたのが土曜日の朝。それから土曜日の午後にはInstagramも使えなくなり、なんと月曜日の午後にはインターネットそのものが使えなくなったエチオピアの首都アディスアベバ。
いったい何があったのか?
土曜日から始まったSNS・インターネットの使用制限は、エチオピア国内の新聞や国営放送では一切報道がされていないとのこと。でも、エチオピア人は知っている。
アメリカに拠点があるエチオピアメディア(ネット接続がなくて検索もできない!)など政府の影響力の及ばない一部のメディアでは今回のSNS・インターネットの使用制限の理由について情報発信がされているという。
我が家で雇っている運転手の話では、教育省から高校3年生の試験問題が盗まれ、犯人は試験問題を公表するとFacebookで投稿したらしい。試験問題がSNSやインターネット上で広まっては困る政府は、エチオピアの電電公社たるエチオテレコムを通じてSNSやインターネットを使えなくさせたというわけだ。
Ethiopia Mediaというニュースサイトでは土曜の朝からFacebook、Twitter、Viber、Instagramなどの主要SNSが使用できなくなったと報道。そして、それは水曜日まで続く、と。
これについてはニューヨークタイムスでも報道されています。国連の人権委員会では、人権侵害ではないかとも言われているとか?
市民はどう思っているか?
我が家の運転手の話では、インターネットが接続できないという不便はあるものの、市民一般は「ざまあみろ」と思っているらしい。面目を保つため、インターネットを止めざるをえない政府に対して、自業自得だという感覚のようだ。
それにしても、ぼくら外国人居住者にとって、しかも比較的インターネット依存症なぼくにとってはこれはなかなか痛い。8月末の帰国に備えて、犬の検疫手続きや帰国後の諸手続きなどもしなくてはいけない今の時期にやってくれるなよ。
地獄だとしても住めば都
透明性や説明責任なんて言葉は辞書にないのがエチオピア政府。そんな政府の印象がいいわけはない。エチオピアに仕事で赴任する前、そんな政府の状況を出張時に垣間見たぼくは、エチオピアは一番赴任したくない国の一つとしていた。
そんな政府の規制により、外国企業のエチオピア進出は妨げられ、輸入品に大きな関税が掛けられる。生活者としては日本では数百円で買えるような中国製のプラスチック製品にさえ、何千円も支払わなければいけない日常生活に腹が立つこともしばしば。
未だに1社独占の通信事情。アフリカといえども今では3社から4社の携帯キャリアがあり、データ通信も4Gも便利なのが一般的になりつつあるのに、エチオピアは遅い、高い、不便の三悪がサービスモットーかというようなエチオテレコム。こんなところに日本企業も海外企業も投資するかよ!と言いたくなる生きる共産圏エチオピア。
でも、住んでみると不思議なほどに居心地がよく我が家に思えてしまう。住めば都。とにかく安全。アフリカでは信じられないほどの安全さ。歩くことはできるし、強盗に怯える必要はない。
そして、人がいい。日本とも親和性が高いと思われる慣習にお辞儀がある。エチオピア人は車で先を譲った時、お辞儀をする。ありがとう、という時にお辞儀をする。相手に敬意を示す際の心遣いが日本人と近い気がする。みんな優しくていい人。
国がそこに住む人々によって作られているとすれば、エチオピアは心が優しく礼儀正しい人の国だ。親近感が湧き、共同体意識が生まれ、何か助けたいと思わせるところがある。政府が政府だけに、自分にできる支援なら是非してあげたいと思えるようになる。
外国人にとって生活のしやすさはモノのあるなしや便利かどうかになりがちだけど、そこに住む人々の良さを肌で感じることができるエチオピアはなかなか生活のしやすい国なんだと思う。それが、3年間住んでみなければわからなかったエチオピアの良さ。
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