Review

今月のブックレビュー「幻獣ムベンベを追え」

おはようございます。126(@takahashi126)です。
今月のレビューは高野秀行さんの「幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
」。
 
幻の怪獣を探す壮大な冒険
ネス湖のネッシーを探すというとちょっといい加減な感じがするけど、こちらはアフリカはコンゴ共和国のジャングル奥地に生息するといわれる幻の怪獣ムベンベを探すという壮大な冒険記です。
大学生でこんな探検をしてしまう、早稲田大学の探検部はすごい!!
しかも今から30年も前の話ですよ。
本には写真も何枚か挿入されているのですが、その時代を感じさせる風貌(特にメガネ!)と言ったら!
でも、話は全然古臭くはありません。
むしろ、新しいというかその先が気になって仕方ありません。
現地人との関わり
ジャングルの奥地にあるテレ湖での40日以上にわたる探検許可を取るのに、コンゴ共和国の関係省庁に申請したり、ポーターやガイドを雇ったりと、現地人とのやりとりにはアフリカで10年近く生活しているぼくでも経験のない行き当たりばったりなところがまさに冒険ぽくって興奮します。
現地人の言葉には様々な知恵も隠されていて、感心させられるところもあります。
現地人の土地勘、生活の知恵、狩りの技術などなど、多くの場面で探検隊は現地人に支えられていると感じるのです。
筆者の言葉で言うと、、
探検隊なんて肩身が狭いもんだ。
でも、ほとんどが大学生の探検隊員。世界での経験もそれほど多くはないでしょう。
そこには若者独特の感覚がちりばめられていて、40過ぎたおじさんが読んでもなかなか面白いのです。
現地人と言い合い、喧嘩になるようなこともがあっても、うまくやっていく。そして、筆者はこう綴る。
「若いとはいいことだ」と私は思った。若いからナメられることはしょっちゅうだがー今の反乱もそうだー、若いからといって憎まれることはない。
いろんな動物が食事
ジャングルでのキャンプなので食事はジャングルで採れるもの。
そんなの食べて大丈夫!?というものまで出てくるのですが、とにかくすごい!
この探検隊員たちは今元気なんだろうかといらん心配をしてしまいます。
野ブタを捕まえた時の話、、
茶色の毛並みがきれいで、目は黒い。そこに生き物を感じた。残虐な死体や血や内臓が飛び散る解体現場なら、もう何とも思わないが、やはり生あるものが死んでいく場面にただ一人立ち会うのは苦痛だった。
自分が喰らうべき獣に哀れを感じるのは、われわれが自然から離れすぎてしいまったからだとわかっているのだが、わかっているだけである。
命ある動物を食べるという感覚を、スーパーで綺麗に切り売りされている肉を買っているぼくらはどれだけ持っているのでしょう?
トリを捌くときの飛び散る血や豚の屠殺場での断末魔の映像などを見ると決していい気持ちはしないですよね。
でも、探検隊は毎日のようにそんな状況で食料を確保します。
カワウソの煮込みを食べた時の話、、
固い肉が骨にがっちりとくっついている。よく煮込んであっても固い。「食べて下さい」と言わんばかりのトリ肉やブタ肉のような物わかりの良さがない。骨に対する肉の執着心をありありと感じる。
食べること、生きることとは、ということまで考えさせられるような幻獣探検記ですよ!笑
他にもサルやゴリラなども出てくるのですが、驚きと興奮は是非読んで感じてください。
そして虫。熱帯ジャングルなので嫌な虫がたくさん。
チョウ、ツェツェバエ、アブ、ミツバチ、アリ、ハエの猛攻を浴びる。
自分がこんな目にあったら、、、という場面も出てきますが、これぞ大いなる自然!
これぞアフリカ!
これぞジャングル!
テレ湖を24時間体制で監視
探検隊は企業などから支援を受け、立派な機材を現地に持ち込む。
支援したのはキャノン、オーディオテクニカ、ソニー、マクセル、富士フィルムなどなどそうそうたる一流企業。
中には大塚製薬、大日本除虫菊株式会社、森永製菓などの名前まで。
そして、カメラやビデオはもちろん、ソナーや暗視スコープなど、幻獣探しが本物であることに気づかされる。
ボートで湖を探索したり、湖畔で24時間体制で監視したり。
ぼくが大学生の時、こんな壮大な経験をしていたら、絶対人生観が変わるだろうなぁ、と思うのだけど、この探検隊員は今何をしているのだろう?
探検隊員は今?
文庫版のあとがきには、2002年時点での隊員のその後が書かれています。
いわゆる会社で働いている人が多いのですが、どこか突き抜けている。
普通のサラリーマンではないようです。
人生、やっぱり探検なんでしょうか。
筆者である高野秀行さんは、探検ノンフィクション作家。本人曰く「辺境専門のライター」。
一連の幻獣ムベンベ探しのあれこれも衝撃的だけど、とにかく筆者の思うところがずっしりと心に響く。
これが大学生探検家が考えていたことか!今のぼくよりスケールは大きい!
是非、GW後半の読み物として「幻獣ムベンベを追え (集英社文庫) 」どうぞ。
 

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